相続の土地を売ったお金、奥さんは扶養を外れる?
Aさんには奥さんがいます、専業主婦です。
この奥さんの親が亡くなり、土地を相続しました。
子供が進学することもあり、土地を売って現金にしました。
1000万円の現金を奥さんは手にしたわけです。
このとき、Aさんの扶養(所得税上の扶養)を外れることになりますか?
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な〜んか、試験問題みたいになってしまいました。済みませんm(_ _)m
奥さんの扶養の条件は、所得38万円以下です。
じゃあ、これ扶養を外れるかというとそうであったり、なかったり。
これ、2回資産が動いているのですね。
「相続時と、売却時」
別々に考えないといけません。
まず、相続時。
土地は路線価で評価されます。でその貰った土地の価値で相続税、これで終わり。
親が買った時の値段が、バブルの時で1500万円だったとしても、昭和初期で安くて500万円だったとしても、路線価評価です。で、他の相続財産とあわせて(基礎控除以上なら)相続税を払って、とりあえず一段落。相続で貰った分は所得じゃありません。
親の資産をもらう:生きている時に貰えば贈与税
死んでから貰えば相続税。所得じゃありません。
次に、売却時。
この時、儲けた分を所得として考えるのですが、さて奥さんはこの土地をいくらで手に入れたことになるでしょうか?これが問題になります。
さてどれでしょう?
・タダで貰ったのだから、0
・親の買った値段。
・相続時の評価額。
相続の場合、取得価額も引き継ぐことになっています。すなわち親が買った値段です。
だから「買った時の契約書は土地を手放すまで捨ててはいけません。」
【答え】
親が2000万円で買って、相続した子が1000万円売っても儲けていません。だから所得にはならない=扶養のままです。
親が500万円で買っていたのなら、差額の500万円が所得(ま、売却経費なども引きますが)、この場合は所得税もかかるし、扶養も外れることになります。ちなみに所得が500万円あれば翌年の健康保険料は結構高い金額がやってきます、普通のサラリーマンより大きい額ですから。
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いくらで買ったか分からない時、契約書がない時、
これルールでは概算取得費を使っても良いというのがあって、「分からない場合は売却価額の5%で手に入れたとしても良い」なんてなっています。
が、これすなわち、95%が所得になるということであまり使いません。それこそ代々受け継がれている土地を売ったという時とかに使います。
おそらく登記簿見るといつ手に入れたかがわかるし、この時の公示地価とか、抵当権がついていたりとか(借りた金額分は少なくともかかっている)、こんなところから類推するのだと思いますが、私には分かりません、税務所・税理士の範疇です。
(でもあまり、「バブルの時に買った土地を売って、税金がかかってきた」というのは、聞いたことがないのですが・・・)
私の親父が亡くなった時に、司法書士さんに遺産分割協議書を頼みました、で昔の土地の契約書を見せたら、これは大切にとっておいた方が良いですよ、とは言われましたので、ま、契約書があるに越したことはない、と思っています。
想像ですけどねー、土地を長年扱っている人が見れば、年代と場所と面積で、いくらぐらいの値段だった、なんて分かるもんだと思います。それにここ20年ほどはずっと土地が下がっていますし、まだまだ下がりそうだし。
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