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2012/12/13

先進医療保険は必要か?

(今日は少し堅めの文体で書いてみました♪)

「がんになって重粒子線治療だとか陽子線治療を行うことになると治療費が多額になりますよ」

 保険会社の担当者がガン保険に高度先進医療特約を付けるように勧める時の決まり文句だ。
 先進医療にかかる治療費は自己負担。(細かく言うと、混合診療と言って、保険部分と保険外部分があるのだが、いずれにせよ治療費は高額になる。)
 丁度、今月号のFP会員誌の特集が「先進医療と保障」。これに価格が書いてあった。どちらも医療費価格は、200万円とか300万円とか、これに交通費だとか宿泊費が必要になる。

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 現在、重粒子線・陽子線治療を行える医療機関は全国10ヶ所ほどしかない。千葉と兵庫が有名か、これに、静岡・茨城・福島、長野、鹿児島、福井。
 実は、私はこのうち2ヶ所に行ったことがある。前職のX線エンジニアだった頃に、関連する一部の装置を納めていた関係で訪れたことがあるのだ。

 FPになって、気になっていたことがある。どれくらいの症例数があるのだろうか?
 今回、FP会員誌をワクワクしながら開けてみたのだが、生憎、それらの記述はない(※)。
 そうなると、気になって調べてしまうのが私の悪い癖。ネット検索を駆使して、やっと、持ってこられるデータを探しだした。

   厚労省の中央社会保険医療(中医協)協議会の資料。少し古くて、H22.1.27と日付がある。(資料名 中医協 総ー3−2)
 これを見ると、

       実施件数
 平成20年度 1245件(陽子線611、重粒子線634 当時は全5施設)
 平成21年度 1600件(陽子線821、重粒子線779 当時は全7施設)
 

 今なら年間2000件ほどだろうか? めったに使われないのがこの先進医療と言うことになる。

 「重粒子線治療になれば医療費かかりますよ」
 「でもそれは年間2000件ほど」

 この数字を大きいと捉えるか小さいと捉えるかは、人それぞれだ。ここが保険の難しいところで、「滅多にないがなったら大変」という保険のニーズそのものだからである。

 ただ、どれくらいの実施があるのかを伝えないままに、
「がんになって重粒子線治療だとか陽子線治療を行うことになると多額になりますよ。  300万円越えますよ」
とだけを伝えて、保険を売るのは、若干卑怯なのではないかと感じる。

 “情報の非対称性”、すなわち、売り手と買い手の情報の違いは、しばしば金融商品の取引では取りあげられる事項である。インサイダーは内部情報であるが、公表されている情報だけでも、売り手と買い手の情報量の違いが当然ある。

   消費者保護法の第一条抜粋
  「消費者と事業者との間の情報の質および量、ならびに
   交渉力の差にかんがみ・・・・」

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 今回、先進ガン治療の中でもとくに治療費が高額である重粒子線・陽子線治療のみを例にした。しかし最近では、他にもいろいろな先進医療がある。だから、この方法のみの件数を取りあげるのは、いささか不本意ではある。

※(一年間の総人数)
雑誌によると、2011年6月までの1年間に、陽子線・重粒子線ガン治療を含む先進医療を受けた総人数は14,505人(1年間)
 

 それともう一つ、この装置(のごくほんの一部)を携わっていた一人としてこのガン治療において誤解して欲しくない部分がある。

   「ガンになってもこの装置で直るんでしょ♪」・・・この誤解だ。
 確かに、関係者から「この装置が無ければ5年以内に死んでいた人が助かっている」という話は一杯聞いた。この10年でこの治療法はかなり進んだのだと思う。しかしすべてのガンに効く万能装置というわけではない。
 この治療法に適した部位(場所)、ガンの大きさ・深度状況、もちろん金銭的負担。いろいろな条件にあった場合に有効であると言うことである。

 治療法があるのに、金銭的に諦めざるを得ない、と言う状況をどうしても避けたいというならば、先進医療保険特約を付けるべきだと思っている。

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