この10年でどれ位、老後生活が苦しくなってきているか
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年金生活が苦しい! という声をよく聞くようになっています。
いや別に老後だけでなく現役世代もそうなのですが…世の中不景気すぎ。
私がFP2級を取ったのが2005年ごろ。7〜8年前です。1級FP・CFPは通信講座で取りましたが、2級はいろいろ出かけてセミナーなどを受講していました。でこのとき先生が言っていたのです。
「これからいろいろ制度改革がありますけど、
だいたい、老後資金2000万円無くなったと思ってください。」
当時、なーんにも知らなかった私は、2000万円なんてどういう数字?
理解不能の意味不明。全然実感わきませんでした。(←過去形)
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例えば、年金300万円くらいの方場合で書いてみます。勤続40年、現在65歳。
10年前に退職した人と今退職した人とではどれくらい違うか。
(1)まず、年金支給水準2%下がっています!
300万円の2%なら【6万円】。これ、【毎年】です。
この春からは、適正水準のための減額もされていますよね。
(2)税金関係が増えています!
・平成12年 介護保険料 徴収開始
・平成18年 定率減税廃止、老年者控除廃止
これだけで【毎年15万円の手取り減】です。
(3)医療費上がりました。
・現役並み所得者 2割負担→3割負担
【医療費が高い人には打撃】
(4)失業手当も減っています
・定年退職者の失業手当日数制限 (勤続20年以上 300日→180日)
【総額60万円(5000円×120日として)の減少】
しかも、年金(部分年金でも)を貰うと失業手当が支給停止です。
両方貰えなくなっています。
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(5)、でもですね、大きいのは、年金支給引き上げ。
今現在60歳定年退職する人は、基礎年金部分が65歳から支給なので、
5年分貰えません。ざっと【80万円×5年分=400万円】
2013年からは、報酬比例部分も順次引き上げです。
上の(1)から(5)を累計すると、10年前に退職した人と比べると、
700万円分くらい貯金が減っているはずです。
でね、700万円分貯金が少なくなっている上に、定期預金の利息が付かなくなったでしょ。10年前の定期預金利息はすでに低金利時代に突入していますが、それでも700万円を10年定期にしていたら、その利息が150万円くらいついている。
(6)もちろん個々によっては、勤め先の要因というものもあります。
退職金制度が変わった。
再雇用制度が変わった。 などなど
全部合わせると、軽く1000万円のキャッシュが無くなっている。
10年前の人を比べると、1000万円貯金が無い!
10年間だけで1000万円です。老後何年ありますか?
現役世代は既に増税されて不景気ですから、2000〜3000万円減ったライフプランを立てないとなりたちません。のほほんと親の世代の生活を考えているとビックリすることになります。
すなわち、これだけ減っていることを知っていれば、「悠々自適の老後生活」がいかに難しいかなんて簡単に分かりますよね。
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介護保険も健康保険もまだまだ上がりそうですし、
消費税! 300万円の消費で5%なら15万円はらっています。今後どうなるでしょう。
年金300万円、月の支給額にすると12で割ると、25万円です(←割と裕福な年金生活者ですね。奥さんの分も入れました、みたいな)。でこれが毎年負担が増えて、数千円ずつ減っていく。
1年2年は、どうってことない。でも10年続けば・・・・・月25万円が月20万円。
将来のライフプランでは、これくらいの計算をしておく方が良いと思います。
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「子供達の生活が苦しそうなので、孫の学資保険、
私が払ってやろうと思うんですよ」とか、
新規に学資保険入ってやるとか、
これ、見方を変えれば、毎月2万円の貯金。これを十数年後、進学と同時に取り崩す。その間は少しだけ有利な利息で運用。終われば、その分は家計が楽になる。
ごくごく普通のよくあるライフプラン計画です。
「これ入学のお祝いね」
「学費かかって大変な時期にありがとう(o^∇^o)」
少なくとも
「定期預金は利息少ないので、投資信託買いました。
でもリーマンショックで半分になりました。」
なんてのよりは、よほど幸せになれるんじゃないかと・・・・
(※学資保険を例にしましたが、学資保険がいいかどうかはちょっと
別問題ね。最近は、あまりは勧めてません、というか学資保険は
玉石混淆状態です。)
みんな幸せになれるライフプランは、そんなに難しくありません!
「子ども名義で入っている保険解約して子供に(お金)をやろうと思うんですけど。」
「どうせプレゼントするなら、タイミング合わせて部分解約してあげる方が良くないですか?」
お金は増やすことを考えるんじゃなく、先に、使うことを考えた方がいい。それも日々の支出じゃなく、ライフイベントでどう使うか。それに合わせた運用(とリスク)が大事。
まあね、ライフイベントは頭では分かっていてもなかなか実感できないのでついつい後回し。。。。。だから私の商売が成り立つ? (^_^;)h
もっとも私自身のお仕事を振り返ってみると、
どれくらい老後不安の解消に役立てていただけたかなぁと、
私自身が不安になっていたり・・・・
「ちょっと安心しました」・・・こんな言葉でも頂ければ、嬉しかったり。
【追記2013.2】年金減額の法案が通っています。
2013年10月〜 1%分、減額
2014年 4月〜 1%分、減額
2015年 4月〜 0.5%分減額
三つ合わせて、どれくらい減額されるかというと、モデルケースで
国民年金だと、 6万3866円 (1675円減)
厚生年金(夫婦)22万5040円 (5900円減)
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