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2011/09/08

こんなはずじゃなかった! 公的年金の下がり具合(支給水準の年次推移)

厚生年金や国民年金・共済年金などの公的年金は、物価や現役世代の給料水準によって改定されることになっている。
下のグラフは1999年度を基準とした場合の支給水準なのだが、2本の線で表した。

一つは、本来法律で定めるところの水準で、もう一つは実際の支給水準である。

なぜ2本あるか? 一言で言えば、過去の選挙対策だ。

  「年金、下げることになります、法律上」
  「そりゃ困る、選挙に負けるじゃないか、なんとかしよう」
  
こういうことが、毎年のように(政権交代も含めて)あったわけで、その結果こんな2つの年金水準が出来たのだ。


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およそ10年間で、実際の支給額は2%弱の減少であり、本来水準であれば4%強の減少である。2.5%の差が出来てしまっている。
この2.5%の差を額に直すと、年金給付総額をおよそ50兆円として、約1.2兆円多く年金が支払われていることになる。消費税に換算すると0.5%相当だ。

現役世代の目から見ると、

 「年金払いすぎっ」「本来の水準にするべきだっ」
 「物価が下がってるんだから年金も下げて当然だっ」

一方、年金生活者からすると
 「これしか収入が無いのに下げるなんてっ」
 「介護保険も上がっているしっ。しかも年金から天引きだしっ」
 「所得税・住民税も上がっているしっ」(←税金のことがよく分かっている人。公的年金等控除が縮小、定率減税が廃止)

〜〜〜〜〜〜〜

問題はこの2.5%の乖離を放ったままにしておくのかどうかだ。

別に放ったらかしにしておいて、ガラガラ・ドンドンで年金制度改革っ!ってのも悪くないと思う。
なぜ放っておいても構わないか? 理由は単純明快。
  「どのみち積立金が減少していくのか、それとも国家予算から補填」
するかしかないのだから。


年金が月30万円と言えば、相当多い年金生活者ではあるのだけど、これでも2%と言えば6000円。年間にすると7万円。
30年間のライフプランを作るとしても「200万円の貯金の取り崩し相当」である。
すなわち年金額がうんぬんと言うよりも、貯蓄をどう取り崩すかの方が豊かな生活をしていく上でははるかに重要だと言える。

サラリーマンが、給料カットや残業カットで毎月5万円減少することに比べると、はるかに可愛いレベルなのである。
だから

  退職時の貯金200万円は、生活費として取っておけ!!
    できれば、2倍の400万円は生活費に回せ!
   である。

私がクライアントにお話しする時には、いつも「教育費のイメージで」とお願いしている。
「在学中にお金かかるのと同じですよ」と。
すなわち、計画的にうまくやりくりしないと、貯金が減る一方になってしまうのである。

収入が限られるので「貯金が減る」のは別に不思議なことではない、問題は、どう、うまく人生を楽しみながら減らすのか、なのである。ここでファイナンシャルプランナーの力量が出てくるし、貯蓄をリスクを取って運用するとなるとさらに力量が問われてくるのである。

もっともそれ以前に、貯蓄が不動産に変身している人(退職金で家を買ったとか)や、そもそも資産が無いという人、これはこれで相当綿密なライフプランがないと、相当苦しい生活にならざるを得ない。
そう思う。


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ちょっと古いですが、こんな記事も書きました。
75歳以上の方の年金額分布です。興味ある方はどうぞ。

【過去記事】
  ●高齢者の年金額分布の実態 (1300万人調査) 2010/06/30


『自分の人生の誇りを大切にしたい』と思う方、『これからの人生とお金の御相談』、是非どうぞ。

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