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2011/07/19

家賃の更新料は有効(最高裁の初判断)

先週末、非常に注目されていた「家賃更新料訴訟」の判決が最高裁でありました。

消費者契約法施行後、「消費者が著しく損するような契約は無効」という法律を元に争われてきた裁判で、これまで大阪高裁で「無効」2件、「有効」1件。

そして今回、最高裁は「有効」と判断しました、初判断です。

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私自身は妥当な判決だと思います。だって契約時にしっかり説明を受けているわけですから、「あとから難癖つけて金払わない」という状況である(あった)と思っています。
今家賃相場が下がっている地域が多いです、少子高齢化&社会人になっても親元を離れない、収入が少なく離れられない、、、、空室が目立っています。
更新料が払うのがいやならそう言う物件を探すなり、そういう契約にしないと更新しないと主張すればいい。

ただ妥当な判決だと思う反面、問題がまったくない訳でもないと思っているのも事実でして、例えば、私の姪っ子は今独立して一人暮らしするんだと常々言っていますが、

 「礼金、敷金、保証料とか火災保険とか・・・・」
   あーこれだけで家賃の5倍くらい
   これに加えて、引越代、新しい電気製品などなど

いろんな費用がかかるということを若い人(姪っ子)がどれくらい分かっているかというととても疑問な訳で、ついつい更新料なんて言う先の話は頭からはずれがちだと思います。

と考えると、貸し手側に非常に有利である、という面は否めません。有利ではあるのですが昔と需給が違いますから「更新料下げないと出ていきます」と言えば折れる大家も(地域によれば)結構あるんじゃないかと思います。すでに雑居ビルではそう言う話も聞いたりしますし、「お店やめるんだったら家賃下げるから出ていかないで。これ以上減ると借り手が益々いなくなるから」という話まで聞いたりします。

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例えばこんな物件があったとします。
 
 標準プラン;家賃 6万  共益費1万   更新料 家賃2ヶ月分(毎年)

これだと経費的には更新料を月割りにするとプラス1万になるのと同じ。だから、

 月割りプラン;家賃 7万  共益費1万   更新料 なし

とか、逆に

お値打ちプラン;家賃 6万  共益費2万   更新料 実質0円
 
とか、さらにこれらに礼金敷金をまぜて、ホワイトプランとかシルバープランみたいな名前をつけて「実質0円」とかなんとか言って広告を出しても言い訳ですよね。

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  ・契約時にきちんと説明されている条件、これと、
  ・消費者が正しく理解出来るかどうかという点、

これは消費者契約法に頼るというよりも、むしろ、業界の基準を整備するべきじゃないでしょうか。


「賃貸物件の一覧見せてください」

こういう事を言うと、家賃の欄を見て「あっ、ここ安い」なんて思ってあとから「更新料がめちゃめちゃ高い」なんていうことに気づいたりするわけで、

  2年間住んだ場合にかかる費用とか
 10年間住み続ける場合にかかる費用とかを

こういうものを提示すべきであって、こういう統一基準を作るべきなのじゃないかなぁと思います。(一部の不動産賃貸グループでは、そういう試みもあります。)
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更新料裁判については今回妥当な判決だと思っているのですが、敷金裁判こちらはもっとややこしくて、貸し手が請求できる敷金の統一基準をしっかり決めて周知徹底する必要があると思っています。

(まだまだ日常の損耗分の補償、例えば「クロス張り替えは家賃に含まれるべきで敷金から差し引くのはおかしい」、裁判すればこうなるのですが、貸し手も借り手も知らない人が多いし、知っていても言わない業者も多いというのが現状ではないかと思います。)


更新料にしても敷金にしても、業界それに行政、が業界標準作りにもっともっと関与しても良いんじゃないかと思うのですが・・・・
   ・・・・なぜ進まないのでしょうか、

 その昔、「JIS」は通産省(※)が主導したんですよね。(・・・経産省は最近、評判が落ちていますが…)

 宅建業法は国土交通省、

こういうお役人の立場の違いで、業界標準作りが進まないのかなぁなんて思っています。ちなみに消費者契約法は消費者庁(内閣府)の管轄です。

国民の生活を良くするのは、立法・行政・司法であるとすると、

今回、「司法」は消費者よりではなく家主よりの判決でありましたが、この問題はそもそもまず「行政」が、それが法律上無理ならば、「立法」で(標準づくりなどを)対処する問題であって、契約社会という面からすれば個別個別の契約を司法判断にゆだねる問題ではなかった、と思っています。(裁判した人を非難しているのではなくこういう裁判があっても動かない行政とか立法に不満があると言うことです。)


もう一回言います。

 国が国として国家権力を使って、国民の生活を良くするのは、「立法・行政・司法」。

まず行政、行政が動けないのなら動けるように立法、最後に裁判(司法)です。

(いきなり損害賠償がどうのこうのと言っている原発問題、おかしくないのか?
 いきなり希望とか意見とかを首相が言う前に、どう立法するかを考えて下さいよ!
 ・・・・話がずれました、済みません  m(_ _)m)

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